◆「おいしさ」について

おいしいものって、何?
「おいしいのも」というと、チョコレート、アイスクリーム、ケーキ、・・・と、まず甘いものを想像します。でも、「おいしいごはん」「おいしい煮物」というように、おいしいというのは、甘いものだけではありません。
食べ物をひと口食べて、「もっと食べたい」と感じるものが「おいしい」ということですが、それには3つの要素があります。

「味つけ」・「調理方法」・「空腹」が大切
おいしく感じる要素としては、まず味つけです。甘すぎたり、からすぎたりしないで、その食べ物にぴったりの味つけだとおいしいです。2番目に、調理方法です。その調理する方法が、その食べもの物にあっていることが大切です。例えば、とうふを煮すぎるとおいしくなくなるし、竹の子のあくをとらないとおいしく食べられません。
3番目は、おなかが空いていることです。どんなごちそうでも、お菓子やジュースを食べすぎると、おいしく感じません。逆に、おなかが空いていれば、どんなものでもおいしくなります。

もう1つ、大事なことは、一人で食べるより、家族みんなで楽しく食べた方がおいしく感じられます。

「おいしさ」は人によってちがう
何をおいしいと感じるかを「嗜好」とい言います。甘い方が好き、辛い方が好き、濃い味が好き、と人間にはいろいろな好みがあります。でも、その人の好みを決める一番大きな要素は、小さいころから食べてきた味です。だから、地域によって、または家庭によってちがってきます。

他に、家族の中でも、「年齢」や「育った時代」によってもちがいます。若い時は肉が好きで、歳をとると野菜が好きになったりします。インスタントの食品は、いろいろな科学調味料で、ほとんど濃い味つけになっています。こうした食品ばかり食べていると、味の好みが「工場の味」や「お店の味」になって、本物の味がわからなくなってしまいます。

味はどこで感じるの?
舌の表面をよく見ると、小さいつぶつぶがあります。それを乳頭と言います。
1つの乳頭に数百個の味を感じるセンサーがあります(これを味雷と言います)。そのセンサーの中の細胞が、それぞれちがう味を感じ分けているようになっています。特に、舌の先やふちのほうでよく感じます。

味の種類と感じるところ
人間の舌でとらえられる味の基本は、甘味・塩味・酸味・苦味の4つであり、これを「四原味」と言われています。中国では、これに辛味を加えて五味と言います。また、日本ではそれに加えて「うま味」というのもあります。
「四原味」は、舌で感じることができます。それぞれ、舌のどの部分で感じるのでしょうか。
 *「あま甘味」 舌の先の部分
 *「塩味」 舌の先から端の部分
 *「酸味」 舌の端の部分
 *「苦味」 舌の奥の部分